歴史探偵

趣味の歴史、地理ネタを書きまくろうと思っていたら、仕事柄どうしてもTVの記事が多くなる今日この頃…

東北地方の背骨を越える〜北上駅→横手駅ローカル線の旅

東北の東西移動の代表的な路線。

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ローカル線でもお盆は混んでる!

お盆直前の8月10日。ご縁があって秋田県横手市を訪ねる機会がありました。東京から東北新幹線で岩手県北上市の北上駅まで行き、そこから北上線というローカル線を使って横手に向かいます。東京から東北の列島に沿って新幹線での縦移動。そして直角に横移動という感じですね。地図で表すとこんな感じ。

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選んだ列車だと北上駅での新幹線から北上線への乗り換え時間は7分。さっさと新幹線ホームに向かわなきゃいけないんですが、その途中で面白そうな人形展示を発見。

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鬼剣舞(おにけんばい)という民俗芸能だそうで、農家の人たちが家内繁栄・五穀豊穣を願って舞っていたそうです。何でも起源は西暦800年ごろ(平安時代初期!)に遡るそうで、相当古くから受け継がれてきたものですね。そうか、北上は鬼の棲む処なのか…。

なんて地域の歴史に思いを馳せるのもそこそこに 、北上線のホームにたどり着くと、2両つなぎの車両はほぼ満席でした。4人掛けのボックスに何とか一席、空きを見つけて滑り込みセーフ。横手までは1時間強かかるので、助かりました。ずっと立ちっぱなしだとさすがにシンドい。

目の前に座ってるお姉さんは「伊達の牛たん」の紙袋を手に持ってました。

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普段仙台で働いていて、お盆休みで田舎の実家に帰るんだろうな。この時期にしか見られない光景ですね。

 

この時期は特別に車掌も同乗

北上線はローカル線なのでワンマンカーかと思いきや、走り出してすぐに「この繁忙期は車掌が同乗しています」とのアナウンス。車両と車両の間には車掌さんの常駐スペースが設えてありました。

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今日の車掌さんは女性。車内では部活終わりでしょうか、ジャージ姿の女子高生に切符を販売したりしてらっしゃいます。こういう日常のひとコマを見た時に「ああ、ローカル線に乗ってるなあ」と勝手に旅情を感じたりする。

また「ホームに降りられたら車掌が切符を回収します。ご協力、よろしくお願いします」とのアナウンスもあって、車両が駅に停まるたび、車掌さんは駆け足でホームを行き来し、お客さんの切符の回収をされてました。いくら東北とはいえとても暑い日だったので、なかなか大変なお仕事です。 

 

陽光きらきら 緑輝く美田

車窓から印象的だった風景のひとつが太陽の光をいっぱいに浴びたみちのくの美田。

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黄金色になる前の鮮やかな緑が広がっていました。稲という植物は根から養分吸い上げて、太陽エネルギーの力を使って光合成してせっせとお米を作ってくれています。

今年は記録的に暑い年。都会にいると太陽ってついつい暑さ(熱さ?)をもたらす厄介者なんて思ってしまいがちですが、見渡す限りの美田を見てると、太陽がなかったら何も始まらないなあ、とも思う。

 

「〇〇目」という地名

北上線をゆく中で気になったのが「立川目」「横川目」という連続する駅名。

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この〇〇目という「目」のつく地名は東北にとても多い気がします。一説には各方面からの道が集まっていた地点に「目」という地名がついているとも。また機会があったら調べてみたいです。

 

いよいよ東北の背骨に

さて、出発して30分近く経つと山々が迫ってきます。

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東北を日本海岸気候と太平洋岸気候に二分する奥羽山脈。東北の背骨ともいえる脊梁山脈です。この奥羽山脈は古代に制定された出羽国(今の秋田県)と陸奥国(今の岩手県ほか)を分ける境でしたし、今も秋田県と岩手県の境です。東北を区画する際の基本中の基本の山ですね。

この奥羽山脈に近づくにつれ、車両のディーゼルエンジン(北上線は電化されていない)が力強くうなりを上げます。言うなれば自転車の立ち漕ぎ状態。この山並みを昔の人は徒歩で越えていったんですね。考えてみればすごいことです。

 

※ちなみに奥羽山脈は地球のプレートが列島につけた「大地のシワ」です。

www.rekishitantei.com

 

麗しい名前の駅あり

奥羽山脈の只中で停車した「ゆだ錦秋湖」という駅。

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ゆだは「湯田」であり、温泉地を指すのだろうと思います。錦秋湖は調べてみるとダム湖のことでした。

で、その錦秋湖の今の景色がこれ。

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実は自分は今年の4月下旬にも仕事出張の折、この北上線を通ってまして、その時の錦秋湖はこうでした。

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春の季節の方が何だか神秘的で趣きありますね(ただこの日は雨がしとしと降っていたのでそのせいかもしれません。それとも雪解け水で水量が豊富だった?)。錦秋湖というくらいだから秋の紅葉はきれいなんだろうなあ。

さて、ゆだ錦秋湖の一つ先の「ほっとゆだ駅」では2割ほどの人が降りていきました。どうもこの温泉地を利用するにはこの駅が最寄りのようです。

自分は西日本の人間(京都府出身)なので、"湯田"と聞くとつい山口の湯田温泉を思ってしまいます。東の人にとっての湯田はここの奥羽の山の中を思うのだろうか。

 

”北上線は大船渡線より格下なのか”問題

車両の中で面白いものを発見しました。ここは北上線の車両の中なのになぜか「大船渡線」の路線図が。

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気になって車掌さんに質問してみました。

私:なぜ、北上線の車両に大船渡線の路線図があるんですか?

車掌さん:車両を大船渡線と使いまわしてるんです。 

さらに聞いてみました。

私:では北上線の路線図は?

車掌さん(しばし沈黙)たぶん作ってないと思います。

私:ありがとうございます。

なるほど〜北上線の路線図は作ってもらってないのか~(車掌さんも自信なさそうだったので、北上線の路線図が掲載されてる車両もあるのかも)。何となく、JR東日本の中では大船渡線の方が北上線よりも格上なのかしら、と思ってしまった。詳細は分かりませんが。

 

横手駅は暑かった…

奥羽山脈を越えると車両は一気に下りに。川も車両の進行方向と同じ方向に流れ、分水嶺を越えた感がありました。

そして横手駅に到着。冷房の効いた車両から降りると横手駅のプラットホームは暑かった…。そして目に飛び込んできたのは北上線の終着を分かりやすく示してくれる看板。

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 夏の真っ盛りで看板のような"かまくら感"は一切感じなかったです。以前、横手は夏暑く、冬の雪がスゴい!と地元の人から聞いていたんですが「ああ、こういうことか…」と一瞬でガテンがいきました。

ただその寒暖差があるがゆえにこの横手盆地は、全国有数の果樹栽培の地でもあります(さくらんぼ等)。自然はなかなか”いいとこ取り”だけはさせてくれませんね。

 

最後に

東北を東から西へまさに横断(といっても距離にすると半分くらいですが)した今回のローカル線の旅。景色が変化にとんでて面白かった。次回はぜひ、"錦秋"の季節に同じコースを行ってみたいと思います。