歴史探偵

趣味の歴史、地理ネタを中心にカルチャー全般、グルメについて書いています。

移動そのものを楽しめ!〜丹後あかまつ号・体験記〜

非常にコスパの良い観光体験。

観光列車の時代

鉄道の観光列車があちこちに誕生し、"移動すること自体"が、旅の楽しみになりつつある今日この頃。
少し遅めの冬休みをもらって、京都・舞鶴に帰省した折、西舞鶴〜天橋立間を走る観光列車「丹後あかまつ号」に乗ってきました。
乗車券640円にプラス540円(乗車整理券代)で、楽しめる鉄道の小さな旅。途中、眺めの良いところではゆっくり走ったり、途中下車して、足湯に入ることができたりと、様々な工夫も施されていて、思った以上に、楽しめました。
 

丹後あかまつ号ってどこを走ってるの?

あかまつ号が走っているのは京都府北部の若狭湾沿い。西舞鶴駅〜天橋立間です。

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運営は京都丹後鉄道です。公式HPはこちら。
乗車整理券をネットで予約するには、京都丹後鉄道でアカウントを取る必要があります。券が余っていれば、駅で直接購入することも可能。
自分はあかまつ号に乗ったのは、1月半ばの3連休の中日、13日(日)でしたが、前日ネットで見てみると、13日午前中、西舞鶴発の列車は全て売り切れていました
(自分が乗った13:44発のものはまだ余りがありましたが)
列車の本数も一日で上り下りそれぞれ2本ずつと限られていますので、確実を期するなら、やはりネット予約が良いですね。
なお祝日を除く、火・水曜日は運休です。
 

西舞鶴駅からいざ、出発!

こちらが天橋立行きの始発駅・西舞鶴。

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ここで、予約しておいた乗車整理券を受け取り、さらに(普通の)乗車券640円を購入します。

これがあかまつ号だ!

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天橋立や日本海の松並木をモチーフにしたという"松"が至るところに。

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デザインはJR九州の「ななつ星」も手がけられた水戸岡鋭治さんによるものです。トップデザイナーに仕事を依頼するあたり、京都丹後鉄道の”本気”を感じます。
 

おススメの座り位置はココ!

さて、いよいよあかまつ号に乗り込みます。
乗車口は先頭側。
席は自由席で早い者勝ち。良い席を取るためには、なるべく早めに列に並んだ方がいいです。
乗り込む際は、乗車券と乗車整理券を準備します。自分は乗車券を手に持ってなくて、モタモタして、後ろの人にちょっと迷惑をかけてしまいました。

海側の席がマスト

ぜひここを確保したい!というのは写真のこの辺り。

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あかまつ号のウリは、日本海の絶景。となれば、海に向かって、正面を向ける席が好都合です。
 

地酒のカップ酒が安かった!

あかまつ号が西舞鶴駅を出ました。すると、アテンダントの女性が、おしぼりを配りつつ、車内でオーダーできる軽食・飲み物のメニューを配布してくれます。

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地酒のカップ250円が安い!と思い、注文。

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車窓の景色を肴に、ちびちび舐める酒は最高です。
 

由良川橋梁では先頭を狙え!

西舞鶴を出ておよそ25分。あかまつ号は、絶景ポイントの一つ、由良川橋梁にさしかかります。

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由良川橋梁は全長550メートル。ここを渡っているときは、右手に若狭湾、左手に由良川、とぐるりと水景色に囲まれます。
その水景色を一番楽しめるのは車両の先頭。早めに移動して良いポイントを確保しておきましょう。
あかまつ号は景色をじっくり観られるよう、速度を落として走ります。移動のための鉄道でなく、列車に乗ることそのものを楽しむ。観光列車の本領発揮です。

あかまつ号・体験動画 

なお動画を撮ってみたので、よろしければご覧ください。48秒の尺で、あかまつ号のダイジェストにもなっています。
 

途中下車した先には足湯!

由良川橋梁を渡り切ると丹後由良駅に停車。

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ここで列車は30分間停車。その間、駅周辺のプチ散策を楽しめます。
アナウンスで勧められたのは、駅から徒歩5分のところにある足湯に入れるスポット「安寿足湯」。

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これが足湯です(他にも入っている人がいて、全景写真が撮れなくてスイマセン…)。
 

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入湯料は100円です。無料でタオルも貸してもらえるので、何にも準備してなくて問題ありません。
無料の湯茶のサービスも。ホスピタリティ抜群です。

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観光客だけでなく、地元の方の交流のスペースにもなってるようでした。足湯入りながら、おしゃべりできるとは、なんとも素敵。
この施設にはちょっとした北前船の資料館もあって、歴史好きは楽しめそう。

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絶景・奈具海岸

足湯にも入ってホッコリしたところで、列車は沿線一の景観を楽しめる奈具海岸にさしかかります。

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冬の日本海は低い灰色の雲が垂れ込めていて、なんともユーウツなことが多いんですが、この日は晴れていて、なんと列車から石川県の白山まで見通すことができました
(非常にうっすらとではありますが。手前の薄い墨のようなシルエットは越前海岸)。

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これは年に数日しかない稀な事態とのことで、非常にラッキーでした。

そうそう、この海岸をじっくり見るためにも、席は進行方向に向かって、右側に座るのが吉です。
 

最後に

奈具海岸を過ぎると、終点の天橋立まではすぐ。普段だったら小一時間で済むところを1時間半かけてやってきたことになります。
この京都丹後鉄道の宮舞線は、自分が若い頃など”全国でも有数の赤字路線”というありがたくない称号をもらっていました。それがこんな風に外から観光客を呼べる路線に変貌しているとは…。実際のところの収支までは分からないにせよ、関係者の皆さんの知恵と努力に感じ入ってしまいました。
料金も安いですし、その割に内容が充実しているあかまつ号。もしこの辺りを訪問されることがあれば、ぜひ観光の選択肢に入れてみてください!
 

少し不満な点〜キャッシュレス対応をお願いします〜

乗車整理券はネットのクレジット決済で買えるのですが、乗車券や車内の飲食物は現金でしか買えません。早くキャッシュレス対応をお願いしたいところです。 
このあかまつ号に限らず、地方はまだまだ現金がないと不便ですね、今回の帰省で痛感しました。おまけにメインバンクのみずほ銀行のATM停止とあいまって、相当なストレスだった…。
 

その他 京都府北部の観光スポット

※舞鶴では自衛隊の艦艇を見学することができます。なかなかの迫力。

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