建築、仏像、歴史…全てがすごい寺。
- "京都のシンボル"の内部が観られる!
- 東寺は境内の"広大さ"が気持ちいい
- 建築当時が偲ばれる五重塔内部の”荘厳さ”
- 金堂の”内部空間”が圧倒的!
- 講堂の「立体曼荼羅」が圧倒的!
- 最後に
- アクセス・会期
"京都のシンボル"の内部が観られる!
「京の冬の旅」で五重塔が特別公開中の、世界遺産・東寺に行ってきました。
東寺の五重塔といえば、京都タワーと並ぶ、京都のシンボル。TVなどでもこの塔が映れば「ああ、京都だな〜」と一発で分かります。
それくらい有名な五重塔ですが、その内部は、まだ見たことがありません。東京からの帰省の折、これはいい機会だと思って立ち寄ってきました。
東寺は境内の"広大さ"が気持ちいい
これが東寺の南の玄関・南大門。
明治時代、それまで建っていた門が火災で焼けたため、三十三間堂の西門をこちらに移築しました。東寺に三十三間堂の門があったとは知らなかった…。
門の奥からは、金堂が顔をのぞかせています。境内に足を踏み入れる前から、東寺建築の壮観さを感じることができます。
境内は広々として、とても気持ちいい。
京都を代表する大寺院ならではの、ぜいたくな空間の使い方です。
建築当時が偲ばれる五重塔内部の”荘厳さ”
拝観券を800円で購入。この券で五重塔、金堂、講堂を見ることができます。
まずは五重塔に向かいました。近づいてみると、建築が持つ重厚感がすごい。
高さは約55m。木造の塔では日本一の高さを誇ります。
現在の五重塔は江戸初期、徳川家光が建てたもの。戦国の世を終わらせ、天下に泰平をもたらした徳川家の威光を知らしめるのに、東寺五重塔は格好の建築だったと思います。
ちなみに、五重塔は、もともと釈迦の遺骨を納めたインドの仏塔(ストゥーパ)が発展したものと言われています。釈迦の威光が遠くから見てもわかるように、丈の高い建築物が必要とされました。
内部には塔の四方それぞれに、別の仏様が安置されています。
※五重塔、金堂、講堂の内部は撮影NGでしたので、パンフレットの写真で代用しています。
どんな仏様が祀られているのか。塔の傍にあったこちらの案内図が参考になりました。
五重塔にはガイドの方がいて、それぞれの仏様によって、かなえてくださる祈願の内容が異なる、と教えてくださいました。
- 阿閦如来…病気平癒
- 不空成就如来…願い事
- 阿弥陀如来…極楽浄土
- 宝生如来…平和
自分が念じたい内容に合わせて、仏様にお祈りするのが良いかもしれません。
400年前の建築当時は、内部は極彩色に塗られていたのだとか。さすがに現在は色あせていましたが、金色に輝く仏像とあいまって、それはそれは荘厳な空間だったんだろうな、と想いを馳せることができます。
日本文化はよく"わびさび"などと形容され、地味な枯れた味わいを良しとする、と思われがちですが、建築されたときは、全然わびさびじゃないものも多数ありますね。
金堂の”内部空間”が圧倒的!
さて、続いては金堂に向かいます。
金堂とは本堂のことで、お寺の中心となる最も大切な建物です。仏様が金に塗られているために、本堂のことを金堂とも言い表します。
建物の中では、中央に薬師如来がど〜んと鎮座。その脇を日光・月光菩薩が固めています。
それら三体の仏様を納めている金堂の屋根の高いこと!
この空間の巨大さそのものが、東寺、延いては東寺を創立した弘法大師の威厳を表現しているように感じられました。
あと、見逃せないのが、薬師如来の台座をぐるりと取り囲むかたちで守っている十二神将像。
一つひとつを取り出しても立派に鑑賞できるレベルの仏像が、贅沢に配されています。
講堂の「立体曼荼羅」が圧倒的!
最後にお参りしたのが、講堂。ここには、かの有名な立体曼荼羅の仏像たちが納められています。
空海が奉じた教えである「真言密教」の世界観を、カラフルにヴィジュアルで表現したものが曼荼羅。その曼荼羅が、3次元の空間に、21体の仏像によって立体的に表現されています。
立体曼荼羅の迫力は本当に圧倒的!
真言密教の中心仏である大日如来が中央に置かれ、その周りを4体の如来が囲みます。
向かって右側には5体の菩薩像、左側には5体の明王像。さらにぞれぞれの外側を仏法守護の神さまである天部の像が固めています。
仏像群の文化財的な価値も至上のもの。21体のうち、15体は平安前期の作で、国宝に指定されています。国宝の仏像の”密集度”で、東寺の講堂に勝てるところはないんじゃなかろうか(ま、こういうのは勝ち負けではないですが)。
1200年前の平安京の人々と、同じ仏像を見られる、というのもすごい。講堂は室町時代に一度、焼失しています。その際はこれらの仏像を大急ぎで運び出したんでしょう。そういう先人たちの想いをつないできた、唯一無二の仏像群です。
最後に
東寺は1200年前の創建当初の場所に、今もある寺院です。
当たり前のようでいて、これは、なかなか無いことです。
平安京にあった内裏(=天皇の住まい)すら、今は影も形もないのに(今の京都御所は、平安京の内裏とは全然違う場所にあります)、一寺院に過ぎない東寺がずっと同じ場所でその命脈を保ってきた。時に、宗教は国家よりも強し、ということなのかもしれません。
東寺。今の京都で、平安京以来の都の歴史を感じたくなったら、まずは訪れるべきお寺です。
2019年、東京国立博物館の展覧会の記事。空海、東寺、密教に関する知識をまとめて仕入れることができます。
アクセス・会期
「京の冬の旅」会期
平成31年(2019年)3月18日(月)まで
電車orバス
電車
京都駅から近鉄電車で東寺駅下車(一駅乗るだけ)。徒歩10分←この行き方が最も分かりやすいかも。
バスでのアクセスは、東寺の公式HPに詳しく載っています。
そのバスの部分だけ抜粋しておきます。京都のバスはややこしいイメージがありますが、ちゃんと乗れば、東寺の間近まで連れていってくれます。
バス:京都駅烏丸口より
○「京都駅前」から市バス
・78系統(久世工業団地ゆき)で 8停留所目、「東寺南門前」下車 所要時間約31分(乗車時間約13分、平均待ち時間18分)
・19系統(中書島 横大路車庫ゆき)で 8停留所目、「東寺南門前」下車 所要時間約31分(乗車時間約13分、平均待ち時間18分)
・42系統(JR桂川駅前 阪急洛西口駅ゆき)で 3停留所目、「東寺東門前」下車 所要時間約35分(乗車時間約6分、平均待ち時間29分)
・16系統(南区総合庁舎・九条車庫ゆき)で 7停留所目、「東寺西門前」下車 所要時間約23分(乗車時間約10分、平均待ち時間13分)
バス:京都駅八条口より
○「京都駅八条口」から市バス
・78系統(久世工業団地ゆき)で 6停留所目、「東寺南門前」下車 所要時間約27分(乗車時間約9分、平均待ち時間18分)
・19系統(中書島 横大路車庫ゆき)で 6停留所目、「東寺南門前」下車 所要時間約27分(乗車時間約9分、平均待ち時間18分)
・16系統(南区総合庁舎・九条車庫ゆき)で 4停留所目、「東寺西門前」下車 所要時間約18分(乗車時間約5分、平均待ち時間13分)
○「京都駅八条口アバンティ前」から市バス
・78系統(久世工業団地ゆき)で 5停留所目、「東寺南門前」下車 所要時間約26分(乗車時間約8分、平均待ち時間18分)
・19系統(中書島 横大路車庫ゆき)で 5停留所目、「東寺南門前」下車 所要時間約33分(乗車時間約8分、平均待ち時間25分)
・71系統(京都外大 松尾橋ゆき)で 5停留所目、「東寺東門前」下車 所要時間約17分(乗車時間約7分、平均待ち時間10分)
・16系統(南区総合庁舎・九条車庫ゆき)で 5停留所目、「東寺西門前」下車 所要時間約19分(乗車時間約6分、平均待ち時間13分)