歴史探偵

趣味の歴史、地理ネタを中心にカルチャー全般、グルメについて書いています。

"格安で第九"からの"大門(だいもん)飲み"

コンサートの後の一杯。最高。

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第九を聴いて年納めをしたい!

自分としては、毎年一回は聴いておかないと年を納められないベートーヴェンの第九。コンサートの日取りを決めたら、その数日前から時間が許す限り第九を聴いて耳を慣らし、鑑賞に臨む、というのが自分なりの恒例行事です。

「〇〇のオーケストラを絶対聴きに行きたい!」というほど、こだわりがあるわけでもないので、正直「生演奏が聴ければどこのオケでもいい」くらいのライト(軽め)な第九ファンですが、今年は仕事との調整がなかなか出来ず、仕事納め翌日の29日になってようやく念願の果たすことが出来ました。

 

今年の第九は1000円で!

今年の第九は「MAXフィルハーモニー管弦楽団」というほどオーケストラでした。

ネットの第九コンサートをまとめて紹介してるサイトで見つけましたが、なんと前売券1000円!自分の第九史上、最も安いチケットを入手できました。ありがたい…。

ぴあで買って、セブンイレブンで引き換えして持っていくスタイルの発券でした(発券するときに手数料100円かかります)。

当日券は2000円するので、こちらのコンサートを見に行くのなら、事前に購入しておいた方がいいですね。

 

大門(だいもん)には大門がある!

会場は大門(だいもん)にあるメルパルクホール。都営地下鉄の大門駅から徒歩5分くらいです。

歩いている途中にほんとに大門を発見!

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時代劇に出てきそうな門と、背景に小さく見える東京タワーとのコラボが面白い。

こちらの門は増上寺の大門(だいもん)。この辺りの地名が大門なのは、この門に由来します。

増上寺は上野・寛永寺とともに徳川幕府にとって重要な二大寺院でした。どちらも歴代将軍の墓所になっており、また寛永寺は表鬼門、増上寺は裏鬼門の位置にあって、江戸城を守護していました。

大門はコンクリート造り。元々、増上寺の総門があった場所に、昭和12年、東京都が現在の門を建てました。様々な経緯があって、現在は増上寺の所有になっています。

 

オーケストラはプロ・アマ混合 だからチケットも安い⁈

会場のメルパルクホールに到着。チケットをもぎってもらって、パンフレットをゲット。

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チケットは格安なのに、パンフはなかなかしっかりした作りです。

付録で第九の歌詞まで入ってました。

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これはいいサービス。聴きながらどの部分の歌詞を歌ってるか、確認できます。

パンフの説明によれば、MAXフィルハーモニー管弦楽団は、指揮者の古澤直久さんが、2011年に作ったプロ・アマ混合のオーケストラだそう。アマチュアの方が参加してるからこんなにチケットも安いんですね。納得です。

それにしても自分でオケを作ってしまうとは、古澤さんのエネルギーや行動力もすごい。

開演20分でも席は比較的余裕があった

会場に入ってみると、客席の埋まり具合はこの程度。

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開演はこの日、19:00でしたが、ギリギリ滑り込みでも間に合います。前の方はガラガラだったので、最前列の席で見てみることに。   

 

最前列だと、CDとは違う音がきこえた!

その日の曲目は以下の通り。

  • J.S.バッハ/G線上のアリア
  • 長野雄行/きっと また 会える(改訂新版)
  • ベートヴェン/交響曲第九番ニ短調 作品125

G線上のアリアはちょっとアンサンブルが調和してなかった気がしましたが、次の曲くらいからそういうのも気にならなくなってきました。

「きっと また 会える」は日本人作曲家によるオリジナルでしてたが、親しみやすいメロディーが随所に顔をのぞかせ、初聴なのに楽しめました。

弦楽器の役割分担がはっきりと

2曲終わったところで10分の休憩を挟み、いよいよお待ちかねの第九です。

自分が座った目の前のステージ上にはビオラの一群が。その後ろにはチェロ奏者。

左に視線を移すと、指揮者越しに第一ヴァイオリンもよく見えます。

CDで聴いてるとどうしてもメインのメロディーばかり追いかけがちですが、これだけ間近に弦楽器が見えるところに陣取ると、それぞれのメロディーの受け渡しや、主旋律をバックアップする伴奏なども明快に見分け(聴き分け)することができ、曲を立体的に楽しめました。

その代わり、管楽器と合唱は全然見えなかった…。

次回は機会があれば、もう少し後ろの席で、全体をバランスよく見てみようと思いました。

圧巻のクライマックス

全体の演奏そのものもテンポや音量の上げ下げも明瞭で気持ち良かったです。

第4楽章最後のクライマックスは、疾走感あふれる速いテンポで、音が一気に駆け抜けていきました。爽快でした。

 

良い音楽から良い乾杯へ!

さて、2時間近くコンサートを楽しみ、心地よい疲労感も覚え、あとは一杯やって帰りたい!

ということで、やってきたのは居酒屋「ます家」。

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大門の前にあってとても目立っています。

入店時の声かけは気持ち良かった

そこそこ混んでたんですが、入店したらすぐ見つけてもらって2階に案内されました。入店して誰にも声をかけてもらえないときほど、落ち着かない瞬間はないですからね。初めてのお店でしたが、とりあえずホッとしました。

 

お刺身も串もある メニューは豊富

お店のメニューはこんな感じ。

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値段帯はふつうな印象ですね。

こちらはまぐろとタコのお刺身。

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こちらは串盛り。

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魚から鶏まで色々食べられて、どれもちゃんと美味しい。

鶏のガーリックフライが美味い!

こちらが「とりあえず」という品名の鶏のガーリックフライ。

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文字通り、アッと言う間に出てくる一品。衣にガーリックが含ませてあって個性ある風味。ビールにもバチっと合います。

 

西郷どんにもゆかりの港区(!)の地酒あり

港区の地酒ってのもありました。その名も「江戸開城」。

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辛口だけど、コクがあって美味しい。こんな東京都心のど真ん中に酒蔵があること自体も驚きです。

調べてみると、このお酒を作った酒蔵は、江戸時代の創業。途中で断絶していましたが、最近復活。幕末にはかつては西郷隆盛や勝海舟も訪れていたとか。

増上寺の門前でいただくお酒にふさわしい歴史を感じます。

お店の窓からは大門もよく見えました。

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最後に

良い音楽に美味しいお酒。一年を締めるのにとても良い夜を過ごせました。

芝はなかなか良い歴史が残ってます。今度、ゆっくり増上寺を訪ねたいなと思います。