ハイクオリティな学祭を楽しむ。
東京藝大の学祭に潜入してみた!
9月7日(金)〜9日(日)に開催された東京藝術大学の大学祭=藝祭(げいさい)に行ってみました(自分が訪問したのは8日)。これが面白かった!
藝大と言うだけあって学生さんは皆、何かの一芸に秀でた人の集まり。模擬店の横でバイオリンをかき鳴らす女の子もいれば、オーケストラで迫力あるシンフォニーを響かせる楽団もいる。いかにもアート!と思うような彫刻も置いてあるし、自作のアクセサリーを売ってる屋台がズラリと並んでいるなど、とにかくこちらの趣味嗜好に合わせてあらゆる楽しみ方が可能なイベントでした。
今回は自分が廻ってみたところを中心にどんな雰囲気の学祭だったか書いてみようと思います。
まずはざっくり全体を知ろう!
藝大キャンパスは音楽学部(=音校)と美術学部(=美校)に分かれています。
音楽系のイベント(クラシックコンサート等)を楽しむなら音楽学部のキャンパス、アート系の催しなら美術学部のキャンパスがそれぞれ中心です。あとフード系の模擬店はほとんど美術学部キャンパスに集中してます。
でも音楽学部のキャンパスにも「MANTO VIVO」と言う模擬店があって、ここは音楽を楽しめるちょっとしたステージが組まれており、ビール片手に演奏を聴けます。ちょっとしたライブバー感覚がゆるく音楽を楽しめました(後で詳述します)
一流のホールでオーケストラを楽しむ
今回、藝祭のお目当てはオーケストラを聴くこと。奏楽堂と言う東京藝大が抱える全国でもトップクラスのコンサートホール。そこで学部の2年生の楽団が演奏します。
ホールの混み具合は?
料金は無料なんですが、会場(10:30)の1時間前(9:30)から整理券が配布され、それをゲットしていないと入場できません。
どの程度の混み具合か想像つかなかったので、配布開始時刻の9:30ちょっと前に配布場所(@奏楽堂前)に行ってみるとこれだけの行列がすでに出来ていました。
整理券が無事入手できるか不安でしたが、610番台をゲット。確かホールは1,100人入るはずだったので、「これだったら大丈夫だろう」と一安心(ちなみにこの時は妻の分と2枚、整理券をいただきました)。
実際に開場してみると、ホール内は7割程度の埋まり具合。なので律儀に整理券配布開始時刻に行かなくでもコンサートは見られると思います。席にこだわらないのなら開演時間に合わせて行っても良さそう。
自分は開演時間15分前(10:45)に席につきましたが、ほぼ真ん中の4列目と相当良いポジションを確保できました。
学生らしいフレッシュな演奏
今回の演目は組曲『「惑星」より「火星」「土星」「天王星」「木星」』『チャイコフスキー 交響曲第5番』の2曲。指揮者は一曲ごとに交代してました。
どちらの曲も曲頭は指揮者本人の緊張感が伝わってきましたが、曲が進行するにつれのびのびと楽団に指示を出してました。そんな若さあふれる音を聴いてるだけでこちらも幸福になってくる。そんな時間を過ごすことができた。終演後のロビーでは指揮者を囲んでねぎらうギャラリーの姿が。間違いなく青春の一コマでした。眩しかった…。
ビールと焼き鳥とフルート
さて、実は上述のようにオーケストラの整理券を入手したあと、コンサートの開場時間まで1時間ほど“待ち"が発生。「どうしようかな…あ、そうだ。ホールと同じところにある同じ音楽学部キャンパスの模擬店に行こう」ということで、上述した模擬店「MANTO VIVO」に行きました。
生ビール大450円と焼き鳥3本250円を注文。模擬店の奥には簡素なステージがあり、その前にテーブル&イスが設えてあります。まだ朝の9時台だったからかけっこう空席もあり、最前列に陣取りました。
10:00からフルートの女の子4人が登場し(途中から飛び入りしてきた男子も)、セーラームーンや、トトロ、ドラえもんなどのアニソンを合奏してくれました。10:25くらいからはサックスのカルテット男子が、津軽海峡・冬景色、青い珊瑚礁など日本の演歌・ポップスを披露。どちらもみんながよく知ってるメロディーで、良い意味でキチンと聴衆のウケを狙っているステージでした。休日の朝から生演奏聴きながら一杯やるなんて間違いなく小確幸(©︎村上春樹)。
でもこの模擬店のステージ、演奏が始まるとどんどん席が埋まっていきました。確実に席を確保したいなら10:00までに行った方がいいかも。
ランチは弦楽とともに
オーケストラコンサートは13:00に終わりました。何か食べようと模擬店がたくさん出店している美術学部に移動しました。
建物内に展示されている学生の彫刻作品を少し見て回ったりも。
ふと窓の外を見ると、ものすごく楽しそうにバイオリンをかき鳴らす女子が目に入りました。
音に引かれるように外に出ると軽やかなアップテンポの音楽が鳴っています。彼女たち、時折、ギャラリーの拍手をあおったりして盛り上げ上手。何より本人たちがいちばん楽しんでそうでした。
どうもその女子たち、模擬店(「CLUB デーシスト」という名前)をやっていてその余興で演奏している様子。演奏が小休止したら、そのままテントに入ってお酒を作ってた。自分もそのお店でジントニックとトルティーヤを注文し、ランチにしました。フルート→サックス→オーケストラ→弦楽と、いろんな音を身体に響かせる一日。最高です。
ゆるく買い物を楽しむ
いざ!藝祭アートマーケット
上野駅から帰途につこうと上野公園に足を踏み入れたら、迎えてくれたのが、ずらっと並んだハンドメイドアイテムの屋台。
正確には藝祭アートマーケットというらしいこの屋台通り。Tシャツ…陶芸…イヤリング…等々、皆、自分たちでデザイン・製作したグッズがわんさか取り揃えてありました。これはそぞろ歩きしながら見るだけで楽しい。
あと藝大、特に美術学部の学生さんたちはこういったグッズを作ることを専門に学んでいる人たち。クオリティが低いわけがありません(…って一個一個確かめたわけじゃないけど、きっとそのはず!)。
重ね塗り漆の箸おき
ここで自分は漆で塗った2個500円の箸おきを購入。
売っていたのはもちろん漆芸専攻の人たち。この箸おきでも2回、漆を塗り重ねているそう。
都道府県を耳に飾ろう!
妻が買ったのは都道府県の形にあしらったイヤリング800円。出身地の茨城県をチョイス。
誰だって故郷の都道府県はありますから、これはちょっと興味を引かれます。アイデアがキラリと光ってる。イヤリングとピアスの付け替えも無料で対応してくださいました。
最後に
アート鑑賞欲、音楽鑑賞欲、はたまた食欲から買い物欲まで、いろんな欲望を高次元で叶えてくれる藝祭。機会があったら来年、ぜひ行ってみてください
※「藝大ってこんなところ! 」というのがよく分かるノンフィクションの感想記事です。