ツイッターで混雑具合チェックは必須。
デザインあ展の人気をナメてはいけない
「デザインあ展」を訪れたのは3連休の中日である9月16日(日)。HPで開館時間をチェックすると、翌日が休みであるため20:00まで開館とありました。
「こりゃノンビリ行ってもゆっくり見られるじゃん!」とゆりかもめに乗って会場の日本科学未来館に到着してたのは17:20。チケットを渡した受付で驚愕の事実を告げられました。
「19時45分〜の整理券をお渡しします。その時間にもう一度、来てください」
なぬ〜!ゆりかもめ乗ってわざわざお台場まで来て、2時間以上待たねばならないとは…。「デザインあ」の人気を完全に見くびっていた。ちゃんとツイッターで混雑具合を見ておくべきでした…。
※ちなみにこのアカウントで「デザインあ展」の状況をチェックできます。
企画展「デザインあ展 in TOKYO」 (@design_ah_TOKYO) | Twitter
後悔が頭と心をいったり来たりします。一瞬、別日に改めようか、とも思いましたが、またお台場まで来るのも手間だ。「ええい、しょうがない、その時間で見てやろうじゃないか」ということで整理券をもらいました。
整理券はチケットの半券と引き換えなので、いったん整理券を受け取ってしまうと「やっぱり、や〜めた」と言って別日に来ることは出来ないのです。腹をくくりました。
ただし、主催者側もあまりの人気だからか、開場時間を1時間延長し、21時まで観れるようにしてました。この配慮はありがたかった。
とりあえずその場を辞し、2時間、フジテレビを冷やかしたり(ったら言ってもグッズショップなどもCLOSEしてましたが)、ダイバーシティ東京でご飯食べたりして再び会場に舞い戻りました。
いよいよ展示会場へ〜こんなふうに案内されます〜
19時20分に再び会場到着。ふと、入口付近でとてもいいものを発見。ノンビリ寝て待てるリラクゼーションスペースがありました。
展覧会場でこんなの初めて見ました。もしこのスペースが確保出来たら、のんびりスマホをイジりながら1時間くらいは余裕で過ごせそうだ。
待ち合いの椅子に座って待っていたら、19時35分に「今から待機の列にお並びいただきます」とのアナウンスがあります。この待機の列にも早めに並んだ方が有利です。自分たちは19時36分くらいには並びましたが、その後もみるみるうちに自分の後ろに人の列ができていきました。なので整理券の時間より10分以上前には来ておきたいところ。
整理券の時間通り19時45分に入場開始。19時46分には会場に入れました。いつもなら「開会のあいさつ」とかゆるっとナナメ読みするところですが、今回はなんせ1時間強で全部観なきゃいけない(閉館が21時)ので、すぐに展示鑑賞に移ります。
展示一覧〜パンフレットより〜
展示は全部で40ほどあります。パンフの写真をアップしておきます(シワが入っているパンフでスイマセン)。
あと会場内はどこも撮影可能(フラッシュはNG)。ブログ書くにはたいへん助かります。
極私的展示解説
今回はスピード感ある鑑賞を心がけました。印象に残ったいくつか展示を挙げておきます。
なるほど!そこだけ取り出すんだ ⑤マークだけの群れ
世の中のあらゆる商品を真っ白にして”マーク”だけ浮かび上がらせた作品。素材を示す「プラ」「紙」とか「操作方法を示す印」とか「なるほど確かにこういうのついているなあ」という感じ。
今まで見過ごしていたものが急に意識の前面に出てくる面白さですね。
子どもに一番人気だったかも ⑦「マークをつくる」
円や三角などの図形、Wi-Fiマーク、車のマーク…等々とにかくいろんなマークを組み合わせて自分オリジナルなマークを作ってみよう、というコーナー。
見る限り子どもたちがいちばん楽しく遊んでいたコーナーの一つでした。
こちらはどこかのお子さんが車と傘を組み合わして作っていたマーク。
これはいったい何のメッセージ何だろう…。とにかくこういう遊びをした子どもたちはこれから通学路の道路標識を新たな眼で見るんだろうな。
誰にでも”自分ごと”になる作品 ⑭「全国名字かずくらべ」
一方こちらは大人がすごく集まっていた作品。全国の8万ある名字が、人口の多さに比例する大きさで並べてあります。
みんな自分の名字をすごく面白がって見つけていました。誰にだって名字はあるので、誰だって”自分ごと”にできる作品。シンプルな発想ながら鑑賞者のツボをついているなあと思いました。
全国の名字ランキングで第1、2位を誇る「佐藤」「鈴木」。さすがの存在感がありました。
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自分の名前はオトコマエ? ⑰「名は顔をあらわす」
こちらはディスプレイで遊べる作品。自分の顔を捉えているディスプレイに向かって自分の名前を書き入れます。
すると、フシギやフシギ、自分の顔の位置に名前の文字が顔となって現れます。
「けん」という名前、けっこうととのった顔でちょっと嬉しい(自分で言うな、って感じですが)。”ん”という文字など鼻に持ってこいのカタチしてますね。ひらがなを顔のパーツに見立てる面白さです。
わりとしっかり”美術する”コーナー ⑱「デッサンあ」⑲「もんどころ」
けっこう時間をとってじっくりモノを描くコーナーもありました。宇宙飛行士をデッサンするコーナーでは自分の描いた作品をスキャンするとモニターに映し出されます。描いて披露するまでが美術、という時代なのかも。
こちらは家紋を描くコーナー。描きかたの手引きがあるので、それに従ってコンパスなどで円を描き、家紋を仕上げて行きます。
よくよく見ると家紋も幾何学的図形の組み合わせなんですね。日本の伝統とデザインって深く結びついてるんだ…と気づかされる。
映像&音楽が最高にクール!〜㉒「森羅万象」〜
個人的に今回の展示で鑑賞対象としてベストだったのがこの「森羅万象」という映像作品。
※youtubeにアップされていたので紹介しておきます。
うた - 森羅万象【デザインあ×NHK1.5ch】Sinrabansyo (Song of Japanese Crests) - YouTube
日本の紋が図形の中から浮かび上がり、その元々のモチーフとなった実際の花鳥風月の写真なども織り込まれて、なんとも不思議な感覚におそわれます。自然を見た先人たちが、それを幾何学的に抽象化し、家紋などに落とし込んでいった思考の軌跡を高速で追体験しているかのよう。あまりに楽しくて繰り返し見てしまった。これはいいです。
最後に
超かけ足で展示をご紹介しました(実際の鑑賞もかけ足でしたが…)。こういう展示は、美術家が展示に込めたメッセージを自分の身体でひとつひとつ受け止めた方が断然楽しいし、そのための余裕がほしい。やっぱり平日に行って一つ一つゆっくり味わえた方がいいですね。
ただ、かけ足だったにせよ、こちらのモノを見る眼は確実に揺さぶられました。帰りの駅の階段で、妙に手すりだけが浮かび上がって見えたり、路線図のデザインが気になったりした。世の中はデザインでできている!って誰かに言いたくなりました。
かように面白い展示ではありますが、行かれる時はツイッターでの混雑の事前チェックを激しくおススメします!