銀座は路地を攻めると面白いよ、という話。
- ブラタモリ出演の先生と銀座を歩く
- 街と、路地と、会話する
- (ほぼ)真南を向いている銀座の顔
- 銀座(中央)通りは日本で最も有名な街道
- 「銀座発祥の地」近くのオシャレ路地
- 銀座の”素顔=路地”を見に行こう
ブラタモリ出演の先生と銀座を歩く
京都で人気の「まいまい京都」という街歩き団体がある。設定されているコースがバリエーションに富んでいて、かつ程よい専門性を含んでおり。街歩き好きの自分は京都在住の折、かなり参加させてもらっていた。
その「まいまい京都」が今年から東京に進出している。代表の方から「東京にどなたか良い講師の方、いらっしゃいませんか?」と相談を受けたので、初期のころ(2010年前後)のブラタモリによく出演されていた岡本哲志先生(都市史家・元法政大学教授)をご紹介した。昨年の夏から東京に住み始めた自分は時々、岡本先生が案内を務める街歩きに参加されてもらって、東京の街並みの極上の見方を教わっている。実に楽しい。
で、ご紹介した結果、岡本先生が「まいまい”東京”」ツアーの案内役を務めることになり、自分も一参加者として一緒に歩くことにした。舞台は銀座。岡本先生は銀座についての本を何冊も書かれていて、銀座の街の成り立ちについては第一人者だ。
街と、路地と、会話する
岡本先生はよく「街と会話する」という表現を使われる。街がどのような歴史を経て現在のような景観になったのか。街がどんなふうに人々の営みを包んでいるのか。街並みそのものが発するメッセージを感じる、というような意味だと思うのだが、その「街と会話する」ために先生が愛してやまないのが「路地」。お化粧をしたよそ行きの貌(かお)である表通りからは感じられない「街の息づかい」を、先生は路地を歩くことで嗅ぎとってゆく。
ここでは前編・後編の2回に分けて、「まいまい東京」の銀座街歩きで辿った箇所から、路地の魅力を中心に、「街の息づかい」を感じられる、岡本先生流"銀ぶら(=銀座をぶらぶら歩くこと)"のススメをまとめておきたいと思います。
※一部、岡本先生のご著書の『東京「路地裏」ブラ歩き』から引用させていただいてます。
東京「路地裏」ブラ歩き 路地裏の達人が“通の楽しみ方”を徹底ガイド!
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(ほぼ)真南を向いている銀座の顔
銀座四丁目の交差点に向かって立つご存じ高級百貨店の「和光」(冒頭写真)。この時計はほぼ真南を向いているらしい。とするとこの時計に対して斜め45°傾いて走る銀座(中央)通り、晴海通りも東西南北に対して斜め45°傾いていることになる。
銀座(中央)通りは日本で最も有名な街道
土日祝日は歩行者天国となる銀座のメインストリート・銀座通り。
ここは昭和45年、日本で最初に歩行者天国が実施された通り。ここは日本一有名な街道である「東海道」でもある。休みのたびに繰り出す銀座通りの買い物客は、同時に江戸時代の古街道を歩いているとも言える。
「銀座発祥の地」近くのオシャレ路地
銀座はなぜ銀座というのか。それは江戸時代に、銀貨を鋳造する役所=”銀座”があったから。 その役所の跡地には「銀座発祥の地」の石碑が。
この石碑からふりかえり、すぐのところにあるティファニーと英國屋との間にある路地。
この細い細い路地が、夜にはこの写真のように粋な照明で照らされるという。
さすが銀座、怖るべし。こんな路地にまで美意識をいきわたらせているとは…。
銀座の”素顔=路地”を見に行こう
こちらは銀座三丁目。銀座ガス灯通り〜銀座レンガ通りに抜ける路地の一角。
現代生活の必須インフラ・コンビニが鎮座している。岡本先生によると「銀座では、表通りでは見られないコンビニ&自動販売機は路地にある」とのこと。「洗練された街」というイメージをしっかり守っている銀座の姿がここにもある。
こちらは松屋通りから銀座三丁目方向へ伸びている路地。路地奥に飲食店があることを示す看板がある。少し専門的になるが、このように通り(銀座通り、並木通り等、北西・南東方向に伸びる道)に平行に走る路地は明治初期に生まれた。つまり150年の歴史を持つ。
この路地をズンズン進んでいくと、なんと洗濯物が。
この写真を見ただけではここが”あの銀座”だとは誰も思わないだろう。まさに人の体温を感じさせる「街の息づかい」である。
(後編へ続く)