歴史探偵

趣味の歴史、地理ネタを中心にカルチャー全般、グルメについて書いています。

新宿御苑で”フライングな”花見をする(2019年3月21日)

新宿御苑の”早咲き桜”メモ。

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新宿門近くのヨウコウ(陽光)

 

新宿御苑にはもう"春が来ている"

3月21日、春のお彼岸の日&春分の日。

夕方までのんべんだらりと過ごしてしまい、せっかくの休日、何もしないのはもったいない。「よし!新宿御苑に”早咲き”の桜を見に行こう」ということで行ってきました。

入園料500円 けっこう高い…

広大な新宿御苑。今回は南側にある千駄ヶ谷門から入場しました。

入場料金は500円!「え…高い…こんな高かったっけ…?」

新宿御苑、25年ぶり大幅値上げ 外国人客の対応向上へ(TOKYO MX) - Yahoo!ニュース

こっちのニュースサイトに詳しいんですが、今年の3月19日に200円→500円に値上げしたそうです。

増加する外国人観光客への多言語対応や、夜の観光促進のため、同時に開園時間も伸ばしたのだとか。

ある程度、料金を値上げするのもやむ得ないと思うんですが、いきなり倍以上とは…。これは行ったからには超時間粘らないともったいない気もしますね。

 

「陽光」は早咲き桜の”王様”っぽかった

園内で目を惹いたのはこちらのヨウコウ(陽光)という桜。

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見事に満開を迎えていて、大勢の人の目を楽しませていました。早春の青空に少し濃いめの紅が映えます。間違いなく、その日の新宿御苑でいちばん目立ってしました。

品種としてのヨウコウについては、こちらのサイトが詳しいです。

ヨウコウ - Wikipedia

1981年に品種登録された比較的新しい品種です。けっこう由来が面白いので、ウィキペディアの解説を引いておきます。

愛媛県に在住していた高岡正明がアマギヨシノ(天城吉野)とカンヒザクラ(寒緋桜)を交雑させて作出した園芸品種である。

高岡正明は第2次世界大戦中に学校教員であったが、戦後、戦死した生徒たちの冥福を祈って各地に桜を贈ることを思い立ち、環境適応能力が強いサクラを作出すべく、25年の試行錯誤の後に、寒さに強いソメイヨシノに由来を持つアマギヨシノと台湾原産の暑さに強いカンヒザクラを交雑させて誕生させた。

塩会社の社長が作り出した品種?!

高岡正明とは「伯方の塩」ブランドで知られる、伯方塩業という愛媛県の企業の社長です。

塩を作る会社の社長が新しい桜の品種まで作り出していたとは…。何事も調べてみるもんですねえ。

ちなみに、よく間違われますけど、「伯方の塩」は福岡県の博多とは違います。伯方島とは瀬戸内にある島。しまなみ街道も通っています。

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ここの塩ラーメン、塩ソフトクリームはたいへん美味しい。行く機会があったらぜひどうぞ。

 

オオシマザクラ(大島桜)

思考は瀬戸内海に飛んでしまいました。新宿御苑に戻します。

こちらの白い花をつけているのはオオシマザクラ。

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江戸時代末に生まれたソメイヨシノの元になった品種です。ちなみにもう一つの元はエドヒガン。

オオシマザクラ(大島桜) - 庭木図鑑 植木ペディア

その名の通り、伊豆大島、伊豆半島、房総半島等が原産です。

白い花と明るいグリーンの葉が一緒に出ます。その二色のコントラストが美しく、慣れてくると「あ!あれ、オオシマザクラだ!」と分かるようになります。

なお桜餅を包んでいる葉は、このオオシマザクラの葉です。葉のクマリンという成分があり、葉を塩漬けするとその特有の香りがかおって、それがお菓子に向いているそうです。

ちなみにソメイヨシノは種で増やすことができず、世の中にあるソメイヨシノは全て接ぎ木で増えたもの(これを初めて知った時はけっこうな驚きでした)。接ぎ木の際は、このオオシマザクラが台木になって、それにソメイヨシノの枝を継ぎます。 

そう思うと、「この桜無くして、ニッポンの花見なし 」というくらい大切な品種ですね。

 

最後に〜遅咲きの桜もすごいぞ!〜

今回は早咲きの桜を紹介しましたが、実は新宿御苑は、遅咲きの桜の品種も非常に豊富で、その豪華さは日本有数です。また機会があればこちらのブログで紹介します!