上野公園の”早咲き桜”メモ。
上野にはもう"春が来ている"
3月20日、用事があってたまたま上野公園の近くを通りかかったら、桜が咲いていて、たくさんの人が集まっていました。
日本でいちばんポピュラーである桜、ソメイヨシノの開花にはいささか早いな、と思って(今年2019年のソメイヨシノ開花は3月21日)木の幹に近づいてみると、「オオカンザクラ」とあります。
上野公園にあるのはソメイヨシノだとばかり思っていたので、早咲きの桜を見つけて嬉しくなってしまいました。
こうなったら”ソメイヨシノが満開になって、上野公園が激混みする前に見られる桜を見つけてやろう”と、園内をブラブラしてみました。その記録です。
オオカンザクラ(大寒桜)
冒頭の写真の場所は、上野公園の南の端。大ぶりの、オオカンザクラがほぼ満開に咲き誇っています。
自分は桜の品種を味わい分けるのが好きなんですが、この桜はソメイヨシノに比べ、少し紅色が濃いです。
なお、植物学的な意味でのオオカンザクラについてはこちらのページが詳しい。
なお、品種としてのポイントは…
- オオカンザクラの開花時期は、ソメイヨシノより一週間ほど早い。
- カンヒザクラ(寒緋桜)とオオシマザクラ(大島桜)の交雑種であると考えられる。
- 発祥の地である埼玉県の川口市安行(あんぎょう)にちなんで、安行寒桜と呼ばれていたことも。
埼玉は江戸の郊外ということで、園芸の盛んなエリアでもあります。
ジュウガツザクラ(十月桜)
こちらは公園の中ほどに咲いていました。ジュウガツザクラ。
品種としてのポイントは…
- エドヒガンとマメザクラの交雑種であるコヒガンザクラを原種として江戸末期に作られた。野生に自生はない。
- 秋の開花が特に目を惹くためジュウガツザクラの名が。実際は厳冬期以外は断続的に咲き続ける。
もう花見している人が!
このジュウガツザクラの下では、もう酒盛りしている人が。気が早い!(笑)
「なるほどな〜。ソメイヨシノの最盛期を外して、花見するのも一興だな」と感心しました。
酒盛りグループの隣では、若いサラリーマンが場所取りしてました。ご苦労さまです。
アカバザクラ(赤葉桜)
こちらは上野公園内のスターバックスの隣で咲いていました。
名前をアキバザクラ。
アカバザクラ(ベニバスモモ、ベニスモモ) ( 生物学 ) - 神代植物公園の樹木 - Yahoo!ブログ
こちらのサイトの解説によれば、中央アジアのコーカサス地方原産の「ミロバランすもも」と野生の「すもも」の交雑種と言われているそう。
サクラとは言うものの、スモモの仲間なんですね。しかもルーツは中央アジア。なかなかエキゾチックな存在です。
ただでさえ混雑しているスタバの隣、ということもあって、相当人が集まっていました。
カンヒザクラ(寒緋桜)
上野公園の噴水の脇で、鮮やかな紅色で目立っているのがこちら。
カンヒザクラです。カンヒは「寒緋」と書きます。寒い時期に咲く緋色の桜ということですね。
品種としてのポイントは…
- 中国南部、台湾、沖縄で見られるサクラ。沖縄で”サクラ”と言えば、この桜を指す。
- 南方のサクラということもあり、寒さに弱い。
- 日本で、年が明けて最も早く咲くサクラ。
カンヒザクラは、先ほどのオオカンザクラの元になった品種でもあります。
上野公園ではこのように並木になっていて、一列に並んだ緋色が遠目にも美しく、とにかく目立っています。観光客が群がって写真を撮っていました。
最後に〜ソメイヨシノの開花はまぢか〜
帰りぎわ、ソメイヨシノの枝をチェックすると、つぼみがパンパンに膨らんでいて、今にも花が開きそうでした。
満開になると上野公園、ものすごい人出なんでしょうね。
その時期をちょっと外して、ゆっくりと花を見る”フライング花見”。なかなかいいものでした。